阪大が最先端ナノテク拠点 国立大初、構内に産学連携起業支援棟『産経新聞』2010年6月10日付

『産経新聞』2010年6月10日付

阪大が最先端ナノテク拠点 国立大初、構内に産学連携起業支援棟

大阪大学が産学連携による新産業の育成を目的に産業科学研究所(産研、大阪府茨木市)内に建設を進めてきたインキュベーション棟が完成し9日、同棟で披露式が行われた。産研はナノテクノロジー(超微細加工技術)研究などで全国の研究施設に対する主導的な役割を果たしており、幅広い産業分野での研究成果の活用が期待されている。

国立大学が独自事業としてキャンパス内にインキュベーション施設を建設するのは全国初。インキュベーション棟は鉄骨5階建て延べ約5100平方メートル。2階と3階を「企業リサーチパーク」とし、計28の実験室や研究室に企業が入居できる。入居企業は超高感度核磁気共鳴装置など産研の最先端の研究機器を利用でき、産研の研究者の技術指導や相談も受けられる。

ナノテクはIT(情報技術)やバイオ、環境など幅広い産業分野と密接にかかわっており、次世代型の半導体やセンサーなどの電子デバイス、高機能材料、遺伝子診断を実用化するうえでも不可欠な技術。産研は平成14年、産業科学ナノテクノロジーセンターを設置するなど先駆的な役割を果たしてきた。

式典では、産研の山口明人所長が「中小企業にとって開発の初期投資の軽減や阪大に開発拠点を構えることによる社会的信用などメリットは多い」と述べ、インキュベーション棟への中小企業の入居を求めた。

阪大の鷲田精一総長は「独創的で最先端の研究成果を世界に発信し、産業界との連携・交流がますます進むことを願っている」と述べた。

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