《市場化テスト導入阻止情報》No.12=2010年6月3日 緊急声明:各国立大学は内閣府『公共サービス改革基本方針変更(案)』11項(別表38ページ)の削除を要求すべきである

《市場化テスト導入阻止情報》No.12=2010年6月3日

緊急声明:各国立大学は内閣府『公共サービス改革基本方針変更(案)』11項(別表38ページ)の削除を要求すべきである

国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

5月31日、内閣府公共サービス改革推進室は『公共サービス改革基本方針変更(案)』を策定し、各府省に対して6月4日17時までに意見を提出するように指示した。内閣府は意見受領後、6月8日内閣府政策会議、6月28日官民競争入札等管理委員会を経て、6月29日に閣議決定しようとしている。

『公共サービス改革基本方針変更(案)』は別表として示されており、全14項、41ページに及ぶ。その11項(38ページ)は「国立大学法人関連業務」とされ、以下のような内容となっている。

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11
.国立大学法人関連業務

【事項名】

(1)
国立大学法人関連業務への官民競争入札等の活用に関する検討

【措置の内容等】

○国立大学法人については独立行政法人制度と別途の制度を創設した趣旨を踏まえ、業務の特性に配慮しつつ、経営効率化の観点から、既に他の国の行政機関等において官民競争入札等の対象とされ、質の維持向上及び経費の削減が期待される内部管理業務、試験実施業務、医業未収金の徴収業務等について、官民競争入札等を含む民間活用の一層の推進を検討する。

【事項名】

(2)国立大学法人における施設の管理・運営業務及び図書館運営業務の経営改善の取組の推進

【措置の内容等】

○国立大学法人については独立行政法人制度と別途の制度を創設した趣旨を踏まえ、業務の特性に配慮しつつ、施設の管理・運営業務及び図書館運営業務について、経営改善の取組を推進する。なお、第8
回国立大学法人分科会(平成22年4月8日開催)にて以下の提言がなされている。

・法人化して6
年経過した国立大学法人(86 校)の経営改善のスピードを速める必要がある。現状は、国の行政機関が公共サービス改革法等により施設管理等の経営の改善を行うのと比べて遅れている。

・国立大学法人は施設管理業務への一般競争入札の導入、契約の複数年度化、包括化等を進めるべきである。

・法人化後、80
の大学が少額随意契約の上限額を引き上げたが、中央省庁と同じ水準の100万円まで引き下げる必要がある。

・図書館運営も民間委託すべき業務を切り分けて民間委託すべき。

(注)対象となる国立大学法人86法人は以下のとおり(略)

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なお、下線を引いてある部分は、2009年7月閣議決定(http://www5.cao.go.jp/koukyo/kihon/pdf/090710beppyou.pdf の31ページ)から内容に修正または追加のある部分である。(1)と(2)の二つの事項のうち、2番目の「国立大学法人における施設の管理・運営業務及び図書館運営業務の経営改善の取組の推進」は新しい事項の追加である。

この『公共サービス改革基本方針変更(案)』11項は、意見聴取対象となった国立大学が大学の任務と現場の状況に立脚して行った主張や要望を全く無視しており、しかも全国立大学法人を一律適用対象とすることが(注)として明記されている。文部科学省から内閣府への意見提出期限が6月4日17時であることを考え、各国立大学は、11項は大学における業務遂行の障害となるとしてその削除を緊急に要求すべきである。

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