『西日本新聞』2010年4月17日付
熊大病院 時間外手当7000万円未払い 労基署勧告受け 943人分支給
熊本大医学部付属病院(熊本市)の看護師や医師の時間外勤務手当をめぐり、熊本労働基準監督署が2008年12月と今年1月、「適正に支払われていない」と是正を勧告。これを受け、大学側から延べ943人に未払い賃金計約6890万円が支払われていたことが16日分かった。熊大は同日、この件で会見を開いたが、08年の勧告については説明しなかった。
同大によると、08年の未払いは、医師などに独自に支給している手当で時間外勤務手当に反映しなかった約700万円(251人分)と、医師166人分の勤務時間が正確に計上されていなかった約2630万円。勧告を受け、いずれも昨年3月に支給したという。
今年1月に勧告を受けたのは、看護師に対する昨年1年間の未払い分。看護師が参加する勉強会や打ち合わせの時間を勤務時間に含めていなかったケースが中心で、大学は16日、看護師526人に計約3560万円を支払ったという。
猪股裕紀洋院長は今年1月の勧告について「真摯(しんし)に受け止め、おわびする」と陳謝。再発防止に努めるとした。