奨学金延滞8割が年収3百万未満 正社員は3割
学生時代に受けた奨学金の返還を延滞している社会人らのうち、84%は年収300万円未満であることが20日、日本学生支援機構の2007年度調査で分かった。延滞者のうち正社員は31%。正規雇用の機会に恵まれず、低所得から返還できないケースが多かった。
機構は「少しずつでも返してもらえるよう柔軟な対応を検討したい」としている。
調査は07年12月に実施、6カ月以上の滞納者約7300人が回答した。
延滞している人のうち、年収が「100万円未満」と答えたのが37%と最多。「100万円以上~200万円未満」が29%、「200万円以上~300万円未満」は18%。「400万円以上」は8%だった。
就職状況では、派遣社員やアルバイトが36%で、正社員31%、無職16%、主婦8%―だった。
延滞理由(複数回答)は、「本人の低所得」が41%でトップ。「親の経済困難」も37%あり、「本人の借金返済」24%など、経済的な理由を挙げる人が多かった。「本人の失業・無職」も20%いた。高校や高専、短大を卒業した人は、いずれも「親の経済困難」を理由に挙げる人が多かった。