『朝日新聞』2006年12月16日付

恵泉女学園が反対声明 教育基本法改正


中学・高校・大学を経営する学校法人、恵泉女学園(東京都世田谷区)は、大
口邦雄学園長名で、基本法改正に反対する声明を出していた。キリスト教系
の同学園は、戦後に教育基本法をまとめた教育刷新委員会に参加した河井
道(みち)(1877〜1953)が創立者だ。教職員約170人も賛同する署名を
寄せた。

声明では、「河井道が基本法の制定に尽力したのは、それなしに憲法の理
想を支えることは難しいと考えたからにほかならない。その根本理念を揺る
がすような改定を容認することができない」と訴えている。

河井の教えの一つは「自分で考えて判断できる人間になりなさい」というこ
とだった。自立し、良心に照らした判断を徹底するのが学園の伝統だ。大口
学園長は「指一本触れるなと言っているわけではないが、根本を動かされて
は困る。教育は教える者から教えられる者への強制であってはならない」と話す。