http://www.keisen.ac.jp/gakuen/information/data/061120.pdf

声明文

戦争放棄を定めた日本国憲法は、戦争で失われた、国内国外の、尊い多く
の生命の犠牲の上に獲得された、日本人の自由意志に基づくものであって、
国民主権を根底とする民主国家日本における国民的合意である。この憲法
の理想を世代を超えて実現するには、個人の尊厳を基本とするところの教
育の力を要し、これが教育基本法の根本理念である。

恵泉女学園は、創立以来、平和教育とともに、神のほか何者をも恐れぬ独
立した個人の確立を教育理念の基本とする学園である。創立者河井道は、
戦争中偏狭な国家主義的指導者らによる疎外を耐え忍び、戦後、教育刷新
委員会の委員に任じられるや、個人の尊厳を主軸とする教育基本法の制定
に尽力した。それなしに憲法の理想を支えることは難しいと考えたからに
ほかならない。これによって日本の教育の根本理念は、人類共通の理想に
基づく誇るべきものとなったのである。

教育基本法に関する議論において、その根本理念を揺るがし、もしくは、
その実現に掣肘を加えようとするような改定を、上述の理由によって、わ
れわれは容認することができない。国会の審議に重大な関心を懐くととも
に、その行方に大いなる憂慮を覚えざるをえないことをjここに表明する。

2006年11月

学校法人 恵泉女学園

学園長 大口邦雄