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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [115-1] 衆議院文部科学委員会での可決について [115-2] これまでの経緯 [115-3] 北海道新聞読者の声:渡辺信久「国民を黙らせる改革案には不満」 [115-kd] 国公立大学通信 2003.03.17(土) 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 各位 前回、文部科学委員会の採決ですべてが決るかのようなことを書きまし たが、友人から叱られました。憲法59条(2)「衆議院で可決し参議院でこ れと異った議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再 び可決したときは、法律となる。」は小学校で習ったとおりです。2/3以上 の多数での可決は現状では与野党の合意がなければできませんので、実質的修 正の可能性はかなりあり廃案も不可能というわけではありません。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [1] 衆議院文部科学委員会での可決について(編集人) ---------------------------------------------------------------------- 国立大学制度を廃止する国立大学法人法案等が5月16日の衆議院文部科学委 員会で無修正で可決されました。文部科学省による必要資料提出が行なわれな い段階での「審議未了採決」(*1)ですから、参議院で実質的な審議が行われな ければ、国会の存在意義をないがしろにする科を現政権が負うことになると思 います。 法案作成までの4年間の検討過程では、政・官・産の意思は十二分 に反映されましたが、国民の意思も、教育研究の現場の意思も、真剣に問われ たことはなく、 多くのパブリックコメント(*2) も棚ざらし同様に放置されま した。このような国民不在・当事者不在のなかで、国立大学制度を廃止し大学 を政府の受託会社に格下げすることが決まるとすれば、それは将来の日本が悔 いる選択となるでしょう。 メディア関係者は、参議院での審議が終わるまでには、国立大学法人法案が大 学改革を行政に白紙委任する笊法であることを日本全体の知らせ、日本新聞協 会の新聞倫理綱領(*3)に記された「新聞は公正な言論のために独立を確保する。 あらゆる勢力からの干渉を排するとともに、利用されないよう自戒しなければ ならない。他方、新聞は、自らと異なる意見であっても、正確・公正で責任あ る言論には、すすんで紙面を提供する。」という、報道機関全体に妥当する責 務を果して頂きたいと思います。また、国立大学協会は、54の国立大学の教 員248名が連署している意見書(*4)を尊重し、臨時総会をただちに開催して 国立大学法人法案の諸問題点を日本社会に向け明らかにするとともに、その責 務遂行を妨害してきた現幹部を直ちに更迭してください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [115-2] これまでの経緯 ---------------------------------------------------------------------- 国立大学を独立行政法人化する方針が密室で決まったのは4年前です(*5)。 独立行政法人制度(*6)は「小さい政府」を目指す行財政改革の中で、国家機 関外部化の過渡形態として設計されたもので、3〜5年毎に各独立行政法人の 存続・民営化・廃止を主務省と総務省が判断することになっています。定型業 務を担う国家機関を想定して設計された独立行政法人制度を大学に適用するこ とについては関係者の多くが疑念を持ち、旧文部省は2000年7月に調査検 討会議を設け60名の「協力者」(*7)と共に、大学向けに独立行政法人制度を 修正することを検討し、同会議は2002年3月に、国立大学法人制度設計の 大枠を示す最終報告(*8)をまとめました。国大協は同年4月19日、臨時総会 において法人化を異例の強行採決で了承し、それを受け文部科学省は2004 年4月法人化を目指して準備を進め、2003年2月28日に国立大学法人法 案が閣議決定されました。4月3日から審議が始まり、文部科学委員会では、 参考人質疑2回以外には、わずか3回の審議で5月16日に可決しました。 法案によれば、「国立大学法人」制度は独立行政法人制度との違いは微小に留 まる一方、学外理事を含む少人数の役員会を最高意思決定機関とするトップダ ウンの経営体制を義務付け、さらに学外者を過半数含む経営協議会を経営に関 する中核的審議機関としました。また、国が国立大学法人を設立し、国立大学 法人が国立大学を設置することとなり、さらに、全教職員が非公務員化となり ましたので、学校法人との違いは、政府補助金が最初は多いこと、政府による 徹底した管理と学外者経営により大学自治が抹消されることの2点だけと言え ます。 国立大学法人発足時は国が現状(*9)のまま6割程度は出資すると予想されま すが、それ以外の点では、経営形態にとどまらず債券の発行も可能になるなど、 非営利法人である学校法人を越えて、営利大学に近づける(*10)ものとなって います。 国立大学が国立大学法人となれば「評価」に基づく改廃や予算額の増減が制 度化され経営基盤が不安定になるため、役員会は、企業からの寄付講座や資金 援助を受け入れるために、また、志願者を確保するために、即効的成果が確実 に期待できる研究活動や、人目を引く派手な教育活動を最優先することを余儀 なくされます。こうして、学長も構成員も、真に創造的な経営・教育・研究活 動 (*11)の持つリスクをとることは困難となり、確実に成果が上る活動が大学 全体を覆い尽すことは明らかです。サバイバル的競争的環境で活性化する活動 は創造的活動ではなくロビー活動や政治的闘争であり、そこでの「勝者」に必 要な要素は抜け目なさと体力ですが、それは創造力とは無関係な要素であるこ とを否定する人はいないでしょう。政府は、日本が知的社会(*12)となること をなにゆえか妨害しようとしている、と言えるでしょう。 独立行政法人化により、政府による大学の直接的コントロール強化(*13)や 財界・産業界からの「使途限定出資」への依存度増大がもたらす教育・研究活 動の「寡占化」・矮小化のデメリットよりは、大学教職員に意識改革をもたら すことのメリットの方が大きい、という考えが政治家・官僚・企業人・ジャー ナリストの一部に見受けられます。現在の国立大学は多くの問題を抱えていま すが、それは、職員の失職・降格への不安をかりたてたり、高い報酬への欲望 を募らせることによる「意識改革」で解決できるような種類の問題ではありま せん。そのような、人の尊厳をないがしろにする手段は、問題を悪化させるも のでしかありません。教育や研究などの創造的な精神活動を支えているもの (*14)に関心がない人達が行う外科手術が心配です。 お願いしたいことは、国立大学法人法案を吟味し、この政策にどういうメリッ トが一体あるのか(*15)、よく考えて頂くことです。現在の国策に近い分野の 人達も含め、ほとんどの大学関係者は、「国立大学法人」化により大学の基本 的機能が損われるだけでなく、本当に必要な大学改革(*16)への道が閉ざされ ることを再三再四警告してきました。こういった警告が妥当なものと判断され ましたら、ぜひ、日本社会全体が、このことを認識できるよう努めてください。 特に、報道関係者には、そのことをお願いしたいと思います。これまでの4年 間、一部の例外を除いて、メディア全体が政府広報紙の役割をはたし国立大学 法人政策の実現に協力してきました。多くの人により指摘されている、法案の 膨大な問題点を詳細に報道し、報道機関の倫理の中枢となる「中立性」を取り 戻していただきたいと思います。 (国立大学独立行政法人化の諸問題サイト管理者2003.5.18) (*1) http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/web030517syutkenseimei.html (*2) http://ac-net.org/dgh/01/a29-pcomments-list2.html (*3) http://www.pressnet.or.jp/info/rinri/rinri.htm (*4) http://ac-net.org/dgh/03/514-ikensho-to-janu.html (*5) http://ac-net.org/dgh/00212-tokyo-shinbun.html#2 (*6) http://ac-net.org/dgh/dgh.html (*7) http://ac-net.org/dgh/tkk/meibo.html (*8) http://ac-net.org/dgh/doc/tkk-report.html (*9) http://ac-net.org/doc/01/127-minamura.html (*10)http://ac-net.org/dgh/01/a25-tjst-hucoop.html (*11)http://ac-net.org/dgh/philosophy.html (*12)http://ac-net.org//wr/wr-93.html#[93-0-1] (*13)http://ac-net.org/common-sense/00b-wolfren.html (*14)http://www.u-tokyo.ac.jp/jpn/news/1237/1.html#3 (*15)http://ac-net.org/home/hu-net/doc/03221-ozawa.html (*16)http://www.erix.com/bunko/omuni/omuni18.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [115-3] 北海道新聞読者の声:渡辺信久「国民を黙らせる改革案には不満」 2003.5.17朝刊 ---------------------------------------------------------------------- 「母の日.実家に電話して安否を尋ねたついでに国立大学法人法案反対活動の 報告をした.母親は,あまり無理をするなという.国の決めたことに逆らって も何も得は無い,というのが70年近くを生きて来た年寄りの知恵だ.田舎で 細々商売で生計を立てて来た人にとっては,お上に文句をつけることなど無駄 以外の何物でもないらしい. 考えてみれば,日本は立場が人を黙らせてしまう国のようだ.別に母が特別 なわけでもなんでもない.大学の教授や学部長,学長になるほどの人も,個人 的には国立大学法人法案にはいろんな問題を感じていても,それぞれの立場で 得失を考えた瞬間,金縛りにあって沈黙してしまう.納得してしまうためには, 「仕方がない」という万能の呪文もある. はたしてこれは民族に染着いた性分か,それとも教育のなせる業か.有事法 制,国立大学法人化,さらには教育基本法改悪.国民を沈黙させるための改革 は進む.なんとかならないものか.」 (投稿時のタイトル「立場が人を黙らせてしまう国」) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [115-kd] 国公立大学通信 2003.03.17(土) 目次 ---------------------------------------------------------------------- Subject: [kd 03-05-17] アカデミックアニマルからアカデミックヒューマンへ From: TSUJISHITA Toru <tjst@ac-net.org> Date: Sat, 17 May 2003 11:03:10 +0900 全文:http://ac-net.org/kd/03/517.html --目次------------------------------------------------------------ [115-kd-1] 衆議院文部科学委員会で国立大学法人法案を可決 [115-kd-2] 法人化反対連絡会ニュース [115-kd-3] 山口二郎「言論人の気概」2003/05/16 Fri [115-kd-4] NHKニュース速報:国立大 独自に研究資金確保へ [115-kd-5] 共同5/16「国立大法人化法案、成立の見通し 教職員12万人非公務員に」 [115-kd-6] 東職声明「国立大学法人制度運用等に関する要請」(補足) [115-kd-7] 愛知教育大学教職員から文部科学委員各位への要望書 5/16 [115-kd-8] 愛知教育大学教職組から愛知教育大学長への意見書 5/12 [115-kd-9] 平和と民主主義のための研究団体連絡会議 幹事団体会議 声明 [115-kd-10] 京大職組病院支部支部長「国立大学等の法人化に関する緊急申し入れ」5/14 [115-kd-11] 山口二郎「民主党の政権担当能力とは 」2003.5.15 [115-kd-12] 永井 實「至急具申」2003.5.15 [115-kd-13] 山内惠子議員と近藤義臣教授の往復書簡 [115-kd-13-1] 山内議員から近藤教授へ5/15 [115-kd-13-2] 近藤教授から山内議員へ5/16 [115-kd-14] (kd 03-05-09)[5]「Tenure について」へのコメント紹介 [115-kd-15] おたより紹介「グチ」#(地方国立大学の現状) [115-kd-16] 憲法研究者有志92名:5.14.有事法案に関する緊急声明 ---------------------------------------------------------------------- 各位 衆議院文部科学委員会で国立大学法人法案等が一括して可決されました。これ までの審議経過を追う者は、国会がほとんど機能していないこと、ほどんど行 政の附属物に退化してしまっている現状を実体験できたと思います。また、こ の法案の「修正案」を安易に出して法案の無修正可決を助長した民主党には野 党第一党としての使命を果す能力がないこと[115-kd-11]も日本の現状の悲惨 さを増しています。こういった構造的疾患は、おそらく、国立大学法人法案、 有事法案、個人情報保護法案等が可決されることと同じくらい、あるいはそれ 以上に、深刻な問題のようにも思います。 ところで、共同通信の記事[115-kd-5]に「文科省に設置する第三者機関「国立 大法人評価委員会」が目標の達成度など、業績評価を実施し、その結果は国の 交付金配分に反映させる。」とありました。「文科省に設置する第三者機関」 は「丸い三角」というのと同じですから、上の空で記事を書いているとしか思 えません。あるいは国語能力の低下を懸念すべきかも知れません。また、NH Kのニュース[115-kd-4]は「独立法人」という言葉をあいかわらず使い、政府 の「サブリミナル情報操作」を、知ってか知らずでかはわかりませんが、サポー トしています。 日本の政治風土とメディアのあまりの荒廃に、無力感そして無関心がさらに広 がることを懸念しつつ、山口二郎教授が「しかし、学者、ジャーナリストなど、 言論を仕事とするものは、ここで諦めてはならない。」と警告しています。こ ういった荒廃に対し、大学セクタは大きな責任があります。知的好奇心と自己 の業績以外には何も関心を持とうとしないアカデミックアニマル(編集人も例 外ではありませんが)状態から、アカデミックヒューマンに進化することが、 大学セクタの社会的貢献の第一歩ではないかと痛感しましたが、国立大学法人 化はアカデミックアニマルをアカデミックビーストに退化させる危険もあり、 前途多難です。国立大学法人法案に反対されている山内議員[115-kd-13-1] の 国立大学批判に重いものと感じました。 憲法研究者有志92名が、有事法案について専門的立場から問題点を指摘して います[115-kd-16]が、41名の国立大学教員も参加しています。有事法案や 個人情報保護法案などの重要法案について、「国立大学全体投票」で賛否を問 うことを習慣化できれば、三権分立の行政独裁への退化とメディアの退化の危 険性をわずかでも緩和できるかも知れません。 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 地方国立大学のインフラの惨状を伝えるお便り[115-kd-15]がありました。C OEに熱中している大手大学の方々は、COEの財源がどこからでているかを 認識しておく必要があります。くれぐれもアカデミックビーストに退化しませ んように。 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 参議院審議終了前の、国立大学協会現執行部の辞任と、臨時総会開催をひき続 き求めていきたいと思います。来週中に再度提出しますので、連署されるかた はよろしくお願いします。(編集人) ---------------------------------------------------------------------- [115-kd-2] 法人化反対連絡会ニュース ---------------------------------------------------------------------- 【5月16日文科委員会】 ■ 野党の追及にまともな答弁せず 本日の委員会では、民主(3名)、自由、共産、社民が質疑を行いました。 前回14日の委員会に引き続き、学問の自由と大学の自治にかかわって、中期 目標、大学評価の問題、学長の位置づけ・選考の問題、労基法・労安法適用に むけた準備・改善の問題などが鋭く追及されました。 これに対して文科省はまたもやまともに答えようとせず、「大学の活性化の ため」「大学の自主性・自立性には十分配慮する」などこれまで同様の曖昧な 答弁を繰り返しました。 答弁のあまりのひどさに、野党議員はもとより傍聴者からもたびたび失笑が もれました。 ■ 文科大臣、児玉議員(共産)の追及に「いいじゃない」と暴言 とりわけ労基法・労安法の適用問題は、国大協が弾力的な運用を政府への要 請事項に盛り込もうとしていること、文科省は施設改善予算の試算すらしてい ないことがこの間の審議で明らかになったことなど、来年4月に違法状態のま まで法人がスタートする可能性が濃厚なことから、各野党から厳しい追及がな されました。 この追求に対して文科省が、終始「違法状態にならないように責任を持って 努力する」との答弁を繰り返したことに、共産党の児玉議員が「それは決意表 明に過ぎない」と強く迫ったのに対し、遠山大臣は席上で「いいじゃない」と 開き直り、委員会室は騒然となりました。 なお、佐藤議員(自由党)の「改善の具体的な計画、資料を提出しなければ、 審議・採決できない」との抗議に対して、文科省は「5月中に提出する」と確 約しました。 ■ さまざまな点で、政府・文科省、与党の無責任さが鮮明に 上記の施設改善問題をはじめ、さまざまな問題について必要な資料の用意も なく、「細部はこれから」と問題を先送りにし、それでいて「審議は十分尽く した」と強弁する政府・文科省、与党に対して、野党議員からは「国会を軽視 する無責任なやり方」「これで審議十分としたのでは国会議員としての責任が 問われる」など、強い批判がなされました。 ■ 満足な審議ないまま、採決強行 野党各党が徹底慎重審議を要求したにもかかわらず、本日の委員会で審議打 ち切り、採決が強行され、政府案は与党の賛成多数で可決されました。「重要 法案」と言いつつ、参考人質疑を入れて5日のみという短時間の審議で委員会 を通過しました。 また、民主党より附帯決議案が提案され、共産党以外の賛成で可決されまし た。 なお、民主党が提案した修正案の審議は行われませんでした。 ■ 今後の動き 委員会後行われた議運で、法人法案は22日の本会議に送られることが決定し ました。 これによりたたかいの舞台は参議院へと移ることになります。 傍聴行動後の総括集会にかけつけた石井議員(共産)、山内議員(社民)は、 会期(6月18日)延長がない見通しであること、施設改善に関する資料の5月中 提出を確約していること、衆議院段階での審議不十分が明らかなことなど、廃 案に追い込む展望があると述べ、本会議・参議院に向けて国会内外でのたたか いをともに強めようと訴えました。 ---------------------------------------------------------------------- [115-kd-15] おたより紹介「グチ」#(地方国立大学の現状) ---------------------------------------------------------------------- 「聞いて下さい、辻下さん。地方大学のインフラは酷い物です。私は理系で生 化学が専門です。今の処は2間x3間の一室が教官室としてあるだけで、実験 室も分析機器もありません。モノ、金、ヒトがありません。文科省は2,3年 前に校費を半減しました。お蔭で私の使える校費は年間37万円です。これで は実験試薬も買えません。カラーで論文を書いたら1報が25万円、2つでそ の倍かかりました。さて減らしたその分を科研費に回すのかと思ったら採択率 が大幅に増えたということはありません。相変わらず20人に1人程度、しか も一般C、萌芽しかあたりません。驚いたことに金を浮かしてCOEとか言っ て帝大に持って行ったようです。地方国立大の酷いインフラの旧帝大との格差 がもっと著しくなりました。このような状況で、法人化して国庫負担を更に3, 4割削減する。加えて公務員定員削減をもっと進める。今年の私の学科の事務 職員は半減されました。パソコンで能率が上がったと思えばその分、山なす雑 用が増えて皆喘いでいます。もう末期症状です。教育も研究も何もするなとい うことなのでしょう。こんなに切り詰めてまあ、余裕がなかったら、良い教育 も良い研究も出来ないじゃありませんか。旧帝大や国立研究所が優れた研究を 行っているかというとそうではありません。億近い金を使うに困っている核研 の先生もいるというじゃありませんか。 不思議なことに大学人は私も含め「茹でガエル」なのでしょう。今回のように 足元に火がついても何も言いません。おそらく首を切られる時も何も言わない でしょう。物事を判断する力が文科省の教育には入っていないことによるので しょうか。この日本愚民化文教政策が法人化で完成することでしょうね。」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 編集発行人:辻下 徹 e-mail: tjst@ac-net.org |