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独行法反対首都圏ネットワーク

☆東職声明(補足)
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  東職声明:「国立大学法人制度運用等に関する要請」に対し国立大学の取るべき態度』を発表したところ、労働安全法適用に関し「法人化されれば民間に適用されている法令が適用されて、今より実験環境が良くなるから法人化に賛成する(反対しない)」というご意見が寄せられましたので、下記を東職の意見として補足致します。

                           東職書記長 五十嵐千秋

 私たち国家公務員は、国家公務員法により様々な労働条件等が規定されています。この法をさらに人事院が補完しています。また、人事院には各地区に支部があり、そこには【勤務条件局】がおかれ、「国家公務員の労働基本権が制約されていることの代償措置として、毎年、民間企業の給与を調査し、国家公務員の給与が社会一般の情勢に適応するよう国会及び内閣に対して必要な勧告を行っています。また、「給与法」を実施するための俸給や手当制度に関する人事院規則等の法令の制定、各省庁における職務評価の統一性を確保し適正・妥当な俸給決定を目的とする級別定数の設定、勤務時間、休暇に関する規則の制定、『健康・安全管理に関する根本基準の設定、公務災害補償に関する制度の企画立案並びにこれらの制度等についての各省庁への指導』を行うなど国家公務員全体の勤務条件の整備に関わる幅広い業務を行っています。」文科省はこの指導を全く無視している省庁のひとつです。
 国家公務員には人事院規則以外にもたくさんの法令が適用されています。前に出ている 「公務災害補償に関する制度」は「国家公務員災害補償法」の実施の制度であり、国立学校における学生生徒の障害に対する保障は「国家賠償法」によりなされています。法人化されると病院の先生方は医療賠償を負担することになりますので、東大病院ではそのための保険に加入することを検討していますが、現在係争中のものをどこまで引き継ぐのかということまで心配しています。
「法人化されれば民間に適用されている法令が適用されて今より良くなるから法人化に賛成する(反対しない)」という考え方は本末転倒です。現在の国立大学は、人事院等の立ち入り検査を受けず、ずさんな自己管理をしていた結果、化学実験室等は全国の3分の1(13,000室)以上の施設が安全衛生管理に不備であると指摘(2003.2.19読売夕刊)されています。環境の悪さを知りながら今まで放置していて、設置形態が変われば必然的に良くなるからというのは、公務員としての自覚ばかりか、研究室の責任者としての自覚も、
学生を指導する教員としての自覚もなかったのかと判断されてしまいます。 かつて10年以上前に阪大の教授が学生の事故で国家賠償以外に数千万円請求され自弁したことがあります。これは公務員であろうと国の機関であろうと、現在でも起きうる話です。それを機に東大農学部では学生に保険に入ることを勧める一方、教授会費で管理責任に対する保険に入っており、実験室のみならず、農学部キャンパス内で起きた事故に対して、たとえ通行人であっても補償される保険に加入しています。
 東職声明は、実験室を一時たりとも無法状態においてはいけないといっているのであり、「民間並みの適用がやがて実施される」という『やがて』は許されないといっているのです。学生が事故にあって何千万もの補償金を請求されて、はっと目覚めるのかも知れませんが、その時では既に遅いのです。
 また、先行した独立行政法人は、ほとんどが特定独立行政法人で公務員型ですので、「国家賠償法」「国家公務員災害補償法」等々の法改正を行って、従前どおりこれらの適用を受け、なおかつ「労働安全衛生法」に適法の環境を整備してから法人化されています。

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