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道教大再編案 関係者の反応二分−旭川・釧路安ど、函館・岩見沢は疑問視 [he-forum 3989] 北海道新聞05/22
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『北海道新聞』2002年5月22日付

道教大再編案 関係者の反応二分−旭川・釧路安ど、函館・岩見沢は疑問視 


 「これなら『よし』としなきゃ」「学長の再編案は問題だ」−。道教大の村
山紀昭学長が二十一日に発表した、同大五分校再編の「最終案」に、関係者の
反応は真っ二つに分かれた。迷走を続ける同大の再編論議。各分校や地域の思
惑を背景に、議論の行方は依然として混とんとしている。

 学長案で教員養成課程を削るとされた函館校と岩見沢校には、厳しい空気が
流れた。

 「歴史ある教員養成の灯を消さないために、工夫と知恵を出したい」

 函館校の大坂治分校主事は語気を強めた。教員養成の代わりに教員免許取得
を目的としない「新課程」を同校に集約する学長案。大坂主事は「あくまで議
論の入り口」と再編案と距離を置く。

 岩見沢校の吉崎祥司分校主事も「本格的な検討はこれから。(再編案は)将
来の有力な選択肢の一つだ」。同校の同窓会組織・北海道青陵会の大森啓司副
会長も「岩見沢に芸術・スポーツ関連の新課程を置く必然性がどこにあるのか」
と疑問を投げかける。

 これに対し、教員養成課程を残すとされた各校は安どの表情だ。

 旭川校の男子学生(21)は「旭川で教師が育つ環境が残ってよかった」と笑
顔。旭川市も「納得できないものではない。最終的に決まるまで静観したい」
(企画財政部)と喜びをにじませた。

 釧路校は教官や学生がほとんど残らない「サテライト化」の方向で議論が進
んでいたのが一転、小学校に限り教員養成課程を残す案となり、綿貫健輔市長
も「地域の声に耳を傾けていただいた」とコメントを出した。

 しかし、教官や学生数の減少は必至だけに、田丸典彦分校主事は「今後も学
生、教官の適正数を確保できるよう、主張していきたい」と話す。

 今後、「将来計画特別委員会」などで学内論議が本格化するが、教官の間か
らは「他分校の反発がすごいだろう」(旭川校)、「これから議論を深める段
階。あくまで選択肢の一つ」(札幌校)と議論の難航を予想する声が出ている。

 各校の綱引きの間で学生の間からは「入学したばかりなのに…。今後どうな
るのか」(函館校の女子学生)と不安の声も漏れる中、再編論議の行方は見え
ないままだ。