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山形大教育学部が教員計画養成課程を断念 [he-forum 3985] 山形新聞05/22
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『山形新聞』2002年5月22日付

山形大教育学部が教員計画養成課程を断念


 近隣の教員養成系大・学部の統合を進めようとする文部科学省の方針を受け、
岐路に立つ山形大教育学部(石島庸男学部長)は21日、教授会を開き、「(再
編の受け皿となる)担当校を目指すには、状況が極めて厳しい」として、新学
部に移行する石島学部長の提案を承認、教員の計画養成機能を維持することを
事実上断念した。既に福島大も同様の方針を決定しており、南東北3県の教員
養成課程は、宮城教育大に集約される見通しとなった。石島学部長は22日、仙
道富士郎学長に教授会の結果を報告する。

 教育県を支えてきた山形大教育学部は、国立大をめぐる急激な改革の影響で、
前身の県師範学校時代から120年を超す歴史に実質的に幕を下ろすことになる。

 現段階の構想では、教育学部は今後、地域のニーズに応える全く新しい学部
となる。学部内にワーキンググループを設置し、国立大が独立行政法人になる
予定の2004年度に再スタートすることを視野に、学部の方向性を協議する見通
しだ。

 小学校教員を養成する機能を維持してほしいとする高橋和雄知事らの強い意
向を尊重し、新学部は、希望する学生が教員免許を取得できる課程認定を文部
科学省に申請、教職センターのような機関を新設する手法を軸に、将来像を模
索するとみられる。

 山形大は6月19日に開催予定の次回評議会で、大学として統一した意思を決
定。宮城教育、福島両大と再編問題を話し合う3大学連絡会議に結果を報告す
る考え。

 6月下旬に山形市内で開く連絡会議で、宮城教育大に教員養成課程を集約す
ることで3大学が合意すれば、3県の再編協議は大筋で整うことになる。

 しかし、県と地元山形市、さらに4付属校の父母は教育学部存続を強く求め
ており、場合によっては曲折も予想される。

 山形大教育学部は昨年11月の教授会で、教員養成課程を引き継ぐ担当校を目
指す方針を確認したが、単科大の宮城教育大に競り負ける形となり、半年で大
きな方針転換を強いられた。