『河北新報』2002年5月23日付(1)
南東北の教員養成 宮教大が担当校に
宮城教育、山形、福島の3大学は教員養成系大学・学部の再編統合問題を協
議していたが、22日までに、教員の計画養成を行う担当校は宮教大で一本化
される見通しとなった。既に担当校断念を決めている福島大に続き、山形大が
同日までに、教員の計画養成機能の存続を断念する方針を決めた。来月の3大
学連絡会議で、担当校と一般校の役割分担などを決め、再編の具体論に移る。
山形大教育学部(石島庸男学部長)は21日に開いた教授会で、「担当校を
目指すには状況が厳しい」との認識で一致し、新学部への改組・移行、教員免
許取得を希望する学生のための教職センター(仮称)設置などを検討すること
を決めた。
仙道富士郎学長はこれまで「教育学部の意思を尊重する」と話しており、次
回評議会で、大学として担当校を断念する方針を決める。6月下旬に山形市内
で開かれる3大学連絡会議で結論を報告する見通し。
仙道学長は22日夜、記者会見をして、担当校を断念する理由について「教
員養成の東北の核として、歩んできたのは宮教大だ。1校に絞るとすれば、宮
教大にせざるを得ない」と述べた。また「新学部は2004年までに発足させ
たい」との意向を示した。
宮教大は昨年末の教授会で、教員免許の所得が目的ではない新課程の「生涯
教育総合課程」を廃止し、教員養成課程に一本化する基本方針を決定。小学校
教員養成課程を中心にした特色ある教育体制や現職教育の充実を目指し、現在、
専攻・コースの在り方など具体的な改革案について検討を進めている。
宮教大の横須賀薫学長は「山形大の方針は誠実に受け止めたい。ただ、再編
問題は、枠組みだけではなく、3大学で連携していかに教員養成を充実させる
かがテーマであり、具体的な協議はこれからの話だ」と話している。