独行法反対首都圏ネットワーク |
佐賀大学理工学部 豊島耕一
「独立行政法人」制度を国立大学に適用することは大いに問題があるという指摘はたくさんありますが,違法とまで言いきったものはほとんど見かけません.では合法なのでしょうか.つまり合法的に選びうる政策の選択肢の範囲内のものなのでしょうか.
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藤田宙靖氏,「国立大学と独立行政法人制度」1999年9月6日
東北大学加齢医学研究所(同9月7日)における講演
千葉大学文学部教授会,声明,99年7月
浜林正夫氏の論説 JOIN No.35 (文教大学)
2000年1.2.3月号
ところで,憲法に関する文献や憲法23条をめぐる判例では,この条文の「学問の自由」には「大学の自治」が含まれるものとされています.つまり「大学の自治」に反するということは憲法23条に反するということなのです.次をご覧下さい.
三省堂,模範六法,21ページ,1995年
つまり,上の論者らは国立大学に適用された「独立行政法人」制度は違憲であるということを間接的ながら述べていることになります.私もこれに同意見ですが,重要なのはこのことを明言することではないでしょうか.ことが国の基本法に関わる問題であると認識しながらそのことを明示的に述べられないとすれば,それではもはや法治国とは言えないでしょう.
23条の「解釈改憲」ないし空洞化が謀議されているときに,これにはっきりと警告を出すことなしには「護憲」もあり得ません.ましてやその謀議,つまり「調査検討会議」に加わるなどもってのほかです.国大協の方々,そして文部省の方々もこの事を真剣に考えていただきたいと思います.
「特例法」や「調整法」でなんとかなる,という議論がなされるでしょうが,それで「違法性」がクリアできるというのは単なる希望的観測に過ぎません.現実に存在するのは「通則法」であり,文部省はこの法律制度のもとで検討すると明言しているのです.この「第ゼロ近似」から良くも悪くもなりうる,と考えるのが客観的な態度というもので,したがってこの前提が外されない以上,議論の標的は「通則法」以外にはあり得ません.
憲法23条だけでなく教育基本法10条にも触れると思われます.次の文献をご覧下さい.少し引用します.
TOYOSHIMA Kouichi