2000.5.16 蓮實東大総長・国大協会長へ要求書を提出

2000年5月16日

 東京大学 総長
 蓮實 重彦 殿

東京大学職員組合
執行委員長 近藤 成一

 いかなる形であれ、「通則法」に基づく独立行政法人化には反対の立場を貫くよう要求する

 さる5月9日、自民党の文教部会・文教制度調査会から『提言 これからの国立大学の在り方について』が提出されました。
 この提言は、「法人化により、大学運営をめぐる日常的な国の諸規制が弱まる点も、…メリットが大きい。」とする一方で、「法人化した後も、国は、(中略)各大学の運営や組織編成に相当の関わりを持つ必要がある。」と述べ、大学への国の強い関与を明確に打ち出しています。これは、行革推進本部の意向がストレートに反映した結果であり、憲法23条で保障されている「学問の自由」へのあからさまな攻撃でもあります。また、国立大学を独立行政法人化する場合に、「大学の特性を踏まえた措置を要する」としているものの、3月30日の高等教育研究グループの提言以上に、「通則法の基本的な枠組み」に止まる姿勢を鮮明にしたものと言えます。
 報道によれば、文部省は5月26日にも大学長会議を召集し、自民党提言に基づく「文部省案」を提示し、各大学長及び国大協の了解を得ようとしています。また、国大協執行部は、この学長会議を受けての臨時総会も考慮しつつ、6月13・14日通常総会で結論を出そうとしております。
 総長は昨年の8月11日に行われた記者会見のコメントで、「…通則法が大学の経営ならびに教育研究にふさわしいものではないと判断しております…」と述べ、通則法に基づく独立行政法人化には反対の態度を明らかにしています。また、独法化の議論の速さにふれて、「十分な時間をかけ、多くの意見を結集しないと、ことによると教育と研究の質の低下を招くことにもなりかねないという危惧の念は、私、現在、非常に強く感じております」とも述べています。
 総長は、今のような状況でこそ、実証的かつ冷静で時間をかけた議論が行われるように行動すべきであり、私たち東京大学職員組合は、下記のことを強く要求します。

1、『「現在提起されている形での独立行政法人化に反対である」(1997年10月17日「東京大学の独立行政法人化に対する見解について」)という東京大学の態度は現在もなお本質的に変わっていない』という立場を最後まで堅持すること。

2、6月13・14日の国大協総会では、文部省案受け入れなどの結論を出さず、少なくとも1年間位の討議期間を保障するよう国大協に要望すること。

以 上


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