『京都新聞』2010年4月7日付

看護短大廃止で佛大の協力白紙
京都市、3大学と再協議へ


京都市立看護短期大の廃止問題で6日、佛教大が短大の教員受け入れなどについて市と交わした確認文書を白紙に戻すと発表したことを受け、市は佛大を含め看護学科を設置、計画している3大学と協議をやり直す方針を示した。協議を踏まえ、市は短大廃止条例案に反対した市会与党の自民党に理解を求め、条例案を再提案する構えだ。

市は短大の廃止方針は変えず、今月中にも佛大と京都橘大、2011年度に看護学科を開設する予定の京都光華女子大と協議の場を持ち、教員の受け入れや実習先の協力体制などを決める予定。

ただ、受け入れ先が白紙になった短大の教員からは不安の声が上がっている。市は5日夜、教員13人に「再就職先は必ず確保する」と説明したが、教員の一人は「進路が決まらない中で仕事に集中しろと言われても。自分で就職活動した方がいいのかもしれない」と不安を口にした。

条例案に反対した最大会派の自民党は週明けにも対応を協議するが「白紙は当然」とする市議がいる一方「否決は妥当だったのか。与党として責任も問われる」との声もある。代表幹事の橋村芳和市議は「不透明な選定過程が元に戻り、会派の求めた形となった」としつつ「3大学との協議を注視し、廃止条例案への賛否は慎重に判断したい」と話した。

自民と同様に反対した第二会派の野党共産党は同日「廃止計画を白紙にし、市立で4年制化を検討すべき」との声明を出した。

門川大作市長は「短大を廃止し、私立大と連携協力する考え方に基づき早急に関係者と協議に着手したい」とコメントした。