『京都新聞』2010年4月3日付

「魅力と活力に富む大学に」と抱負
佐和隆光


滋賀大の12代目学長に1日就いた佐和隆光氏(67)が2日、滋賀県彦根市の同大学キャンパスで就任会見を開き、「研究と教育の両面で魅力と活力に富む大学にしたい」と任期4年間の抱負を述べた。

学生・大学院生約4千人の大学トップとして、運営方針を「経済学部、教育学部の両学部の構成員のだれもが得する改革を調整役として進めたい」と説明した。研究や就職支援では、自らが理事長に就いた県内13大学・短期大学でつくる「環びわ湖大学・地域コンソーシアム」を軸に、自治体や大学間でさらに連携を深めることを強調した。

経済学部が彦根市、教育学部が大津市に離れたキャンパスの統合問題や、滋賀医科大や京都教育大、京都工芸繊維大と検討されたが凍結中の統合協議については「理事会だけでなく教授会に顔を出して半年ぐらいで意見を集約し、方向性を見極めたい」と述べた。

佐和氏は環境経済学の第一人者。2006年3月に退職するまで京都大経済研究所長で、現在も国の中央環境審議会委員や交通政策審議会長を務める。