『読売新聞』2010年4月5日付

愛媛大ブランド「媛の酒」…島田酒造と開発 超辛口22日発売


稲刈りからデザインまで

愛媛大学は、農学部の農場で無農薬・有機肥料で栽培した米を使った、精米歩合60%の特別純米酒「媛(ひめ)の酒」を開発した。大学教員や学生が稲刈りや醸造作業に加わり、地元酒造会社の協力を得て仕上げ、大学で行った試飲会では「超辛口で、どんな料理にも合う」と好評。大学ブランドの日本酒開発は四国の国立大学では初めてで、愛媛大は4月下旬、ブランド商品として一般販売する。



法文学部や教育学部、農学部などの教授や、島田酒造(愛媛県東温市)の社員がプロジェクトチームを組んで開発。農学部付属農場で愛大ブランド商品の「安心米」として栽培しているものの中から、酒米にも食用米にも使える県が開発した松山三井を選び、島田酒造が持つ発酵力の強い酵母を使って醸造した。

松山三井は、端麗、辛口の酒の醸造に適しており、辛口の酒が得意な島田酒造の技術もあって、すっきりした辛口の酒2300本(720ミリ・リットル入り)ができあがった。

商品名を学生から公募して決めたほか、ラベルや箱は、教育学部2年の女子学生がデザイン。愛媛らしさを表すとともに、女性にアピールする愛らしいミカンの花のイラストをあしらった。

愛媛大で3月に開かれた試飲会で、プロジェクトチームの谷本昌太・教育学部准教授は「期待通りの味に仕上がり、刺し身やジャコ天など何にでもよく合う」と満足そう。稲刈りや酒の仕込みに参加した法文学部2年新岡聡美さん(20)は「フルーティーで飲みやすい」と話し、同3年美濃晴菜さん(21)は「女の子にも向いてます」と太鼓判を押していた。

醸造した酒のうち、260本は生酒のまま、残りは火入れをし、4月22日に松山市の愛媛大城北キャンパス内にオープンする「愛大ショップえみか」で各1本1400円で販売する。問い合わせは愛媛大財務企画課(089・927・9053)。