『徳島新聞』2010年4月2日付

寄付講座スタート 県・徳大、地域医療再生の一歩


徳島県と徳島大学は1日、同大から中央(徳島市)三好(三好市)海部(牟岐町)の県立3病院へ医師を派遣する寄付講座を開設した。2010〜13年度の4年間、4講座の産婦人科医や外科医ら計11人が各病院で診療支援をしながら、地域医療に関する研究や人材育成に取り組む。

医師不足で分(ぶん)娩(べん)や土曜日の救急受け入れを休止している海部病院では、寄付講座「地域産婦人科診療部」(古本博孝教授)の産科医3人と「総合診療医学分野」(谷憲治教授)の内科医3人がそれぞれ交代で勤務する。

初日は産科医の岩佐武助教(33)が、病院職員から電子カルテの入力方法や医療機器の説明を受けた後、外来患者2人を診療した。今回の派遣で海部の産婦人科は年間を通して24時間体制の勤務が確保でき、07年9月から休止している分娩再開に向けて準備を進める。

外科医が院長を含めて3人に減っている三好病院では「地域外科診療部」(栗田信浩教授)の外科医3人、徳島大学病院と隣接する中央病院では「ER・災害医療診療部」(今中秀光教授)の救急医2人が順次、診療支援を始める。

寄付講座の開設は、医師不足解消などを目的に県が作成した「地域医療再生計画」事業の一つ。県が10年度予算で支出する運営費は1億8600万円。