『中国新聞』2010年4月4日付

山口大、学部・研究科再編へ


山口大が今月からの第2期中期計画(6年間)で学部・研究科の再編に乗り出すことが分かった。丸本卓哉学長が中国新聞の取材に明らかにした。農学部獣医学科を鹿児島大と連携して学部に発展させ、現行の農学部は「環境」などを専門とする学際的な学部につくり替える。教育学部の課程再編も図り、これまでの教育・研究体制を大きく見直す。

丸本学長は「国からの運営費交付金の削減が続き、大学間の競争が国内外で激しくなる中、教育・研究の質を維持、向上するには再編に踏み切らざるを得ない」と述べた。

食の安全確保への要請からも高度化している獣医学に対応するため、獣医学科の定員が共に30人にとどまる鹿児島大と連携して新学部の設置を目指す。既に1月、北海道大と帯広畜産大が獣医学のカリキュラムを共通化し、学位を連名で授与する「共同教育課程」の2012年開始を公表しており、西日本の獣医学の拠点となるよう具体策を検討していく。

獣医学科が抜けると2学科定員100人と規模が小さくなる農学部は、「環境」と関連する理、工学部の各学科などと一緒に「学際的な学部」をつくる方向で再編を図る。

少子化による教員採用数の減少をにらみ、教育学部(定員240人)で教員免許の取得が任意の「ゼロ免」課程(うち110人)の解消につながる定員の組み替えも図る。

学内の「学部・大学院等再編検討会議」で議論を深め、「11、12年度中には」実現を図っていく考えだ。