『沖縄タイムス』2010年3月29日付

研究棟の完成祝う 大学院大学で式


【恩納】沖縄科学技術大学院大学の研究施設の完成を祝う記念式典が28日、恩納村の同大学で開かれた。国や県、市町村、政財界の関係者ら来賓約200人が出席。同施設での研究成果に期待するとともに、2012年の開学に向けた協力体制を再確認した。

研究施設は2月中旬に完成。管理部門のセンター棟、第1研究棟などで構成され、5階建ての延べ床面積約2万7千平方メートル。総工費は約178億円。開学までに残り二つの研究棟も整備される予定。

研究棟は実験機器などを可能な限り共有化する「オープンラボ」が特徴で、分野を超えた研究者間の交流を促す。水の再利用やLED照明などで環境にも配慮したという。うるま市の施設で活動していた22の研究グループのうち、半数が移転・入居した。

式典で独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)のロバート・バックマン理事は「多くの方々が長年にわたり努力していただいた結果」と感謝。

OIST運営委員会共同代表のトーステン・ヴィーゼル共同議長は「世界最高水準の研究者が才能ある学生を育てる。地元にも刺激を与えたい」と語った。

仲井真弘多知事は「ベスト・イン・ザ・ワールドの目標に沿った成果を期待している。今後も県民挙げて支援していく」と強調。志喜屋文康恩納村長も「ここから日本の科学技術を変えていくと期待している」とあいさつした。