『西日本新聞』2010年3月30日付

専門医4年で30人養成 佐賀大に寄付講座 産科など7分野


佐賀大と県は29日、地域医療を担う人材を育成するため、県による寄付講座を同大に4年間設ける協定を結んだ。県の寄付金を活用し、講座を受講する専門研修医に助教ポストを提供。医師が不足する分野で、県内に定着する医師を育成する。

講座名は「地域医療支援学講座」。受講生は医師免許を取得し、2年間の前期臨床研修を終えた専門研修医が対象となる。受講生は総合内科や救急科、産科など医師不足が深刻な7分野から専門コースを選択。大学病院や県内の中核医療機関で研修を続け、専門医資格の取得を目指す。受講生は研修後、原則として県内の医療機関で働くことが義務付けられる。

2010年度の受講生募集は既に終え、10人が受講することになった。4年間で三十数人の受講を予定しているという。寄付金の財源には、国が都道府県に交付する自由裁量の地域医療再生基金から、計約8億2千万円を支出する。

締結式で古川康知事は「(取り組みは)喫緊の課題にスピーディーに対応できる“効き目の早い薬”のようなもの。県の医療水準向上への大きな一歩」と強調。佛淵孝夫学長は「県の地域医療も危険な状態。特に深刻な北部地区や西部地区への派遣を強化したい」と述べた。