『読売新聞』新潟版2010年3月31日付

原子力技術者養成 長岡技科大が検討


長岡技術科学大学(長岡市)が、原子力安全技術者の養成を検討している。2009年度から、文部科学省が支援する「原子力コア人材育成プログラム」事業の中で、人材育成のためのカリキュラムや実施体制を模索しており、新年度に具体的な対応を決める。30日には客員教員の受け入れなども視野に、日本原子力研究開発機構(茨城県)と連携協力する協定を結んだ。

県内に原子力発電所があり技術者が求められる一方、県内に原子力技術者を養成する大学がないことなどから、同大は、地元への貢献のあり方を検討していた。

同プログラムは09〜10年度の2年間で、同大では「基盤的工学知識とコミュニケーション能力を兼備した原子力システム安全・保全工学技術者育成プログラム構築」を目標としている。

プログラムの認可を受けた昨年5月には、武藤睦治理事・副学長を中心に「カリキュラム検討委員会」を発足。原子力研究を行っている国内や米国の大学を視察したり、情報収集したりしてきた。

この日、日本原子力研究開発機構と結んだ協定では、〈1〉機構からの客員教員の受け入れ〈2〉日本各地にある機構の施設を利用した研究指導〈3〉人材交流や情報交換――などの協力を受けることが出来るとしている。

同大では「原子力技術者養成がカリキュラムに入ることが決まれば、具体的に動き出す」とし、同機構では「原子炉工学や原子炉物理などの分野で協力できるのではないか」としている。