『読売新聞』2010年3月23日付

親の懐事情、進学先左右…景気低迷ひしひし
受験費用46万円→30万円 仕送り月10万円以下…ひめぎん情報センター調べ


大学や短大に通う子どもがいる県内の1000世帯を対象にしたアンケート(回収率34.3%)で、進学先を決める際に「経済的事情」を重視した世帯の割合が、1996年の開始以来最も高い22.4%に達したことが、ひめぎん情報センターの調査でわかった。離れて暮らす子どもへの仕送り額や、自宅生の小遣い額も過去最低で、同センターは「不況の影響がうかがえる」と分析している。

調査は大学、短大、大学院、専門学校に通う子どものいる世帯を対象に毎年行い、今年は2月に実施した。子どもの進学先は大学75・8%、専門学校7%、短大5・5%、大学院2%。学校の所在地では県内が39・9%、近畿19・5%、中国地方9・6%などで、学生の住居形態ではアパートなどの下宿が61・2%、自宅23・9%など。回答者の平均年齢は49・5歳だった。

進学先を決める際に重視したことでは、例年通り「本人の希望」(86・3%)が最多だったが、続く「経済的事情」(22・4%)は前回より2・8ポイント増え、過去最高となった。また受験料や宿泊代、交通費など受験時の平均総費用は前回比16万1000円減の30万1000円で、1人あたりの受験校数も過去最少の2・2校となり、前年より0・6校減った。

一方、自宅外生への毎月の仕送り額は初めて10万円台を割り込んで平均9万9000円となった。自宅生の1か月の小遣いは4年連続減少で過去最低の平均1万5000円で、景気悪化が学生の小遣い・仕送りにも影響しているとみられる。

「就職できるか心配」7割

家計における教育費の負担感では「大きい」(86%)がほとんどで、「特に負担は感じない」(9・9%)、「小さい」(0・6%)を圧倒。学費や生活費を合わせた学生の年間総費用の平均(190万3000円)は家庭の平均年収(636万2000円)の3割程度を占める。また、「親の心配のタネ」では、雇用情勢の悪化から「卒業後、就職できるか」(70・3%)が前回より7・3ポイント増え、過去最高となった。

同センターは「受験や生活にかかる費用など、子どもへの支出を減らす人が増えている。子どもの就職に不安を感じる人も多くなっており、景気低迷の影響は大学生活にも及んでいる」としている。