『徳島新聞』2010年3月25日付

寄付講座に11医師派遣 県と徳大が4月協定


徳島県が運営費を負担して徳島大学に開設する寄付講座で、同大から中央(徳島市)三好(三好市)海部(牟岐町)の県立3病院へ新たに派遣される医師の人数や診療態勢が24日までに固まった。4月1日付で県と徳島大が協定を結び、4講座の産婦人科医や外科医ら計11人が各病院で診療支援を始める。

2003年4月には18人いた常勤医が現在7人に減っている海部病院では、寄付講座「総合診療医学分野」(谷憲治教授)の内科医3人と「地域産婦人科診療部」(古本博孝教授)の産科医3人がそれぞれ交代で勤務する。

海部病院には現在、常勤の産科医がおらず、07年9月からは分娩(ぶんべん)を休止している。4月以降は産婦人科は年間を通して24時間体制の勤務を確保でき、分娩再開に向けた準備を進める方針。深刻な医師不足で08年4月から休止している土曜日の救急受け入れ再開が、今後の課題となる。

一方、外科医が院長を含めて3人に減っている三好病院には「地域外科診療部」(栗田信浩教授)から外科医3人が派遣され、手術や当直勤務に当たる。徳島大学病院と隣接する中央病院では、救命救急センターの業務を「ER・災害医療診療部」(今中秀光教授)の救急医2人が支援する。

寄付講座の開設は、医師不足解消などを目的に県が作成した「地域医療再生計画」事業の一つ。県が2010年度予算で支出する運営費は1億8600万円。

県医療政策課は「徳島大の協力を得て講座を開設することで、診療態勢の充実と地域医療を担う医師の育成が図られると期待している」と話している。