『四国新聞』2010年3月26日付

国立大評価、初の順位付け/香川大は81位


2004年度に法人化された国立大学の研究や教育内容などを評価して、各大学の10年度以降の運営費交付金に差をつける初めての評価反映の内訳が25日、文部科学省への取材で分かった。最も評価が高いのは奈良先端科学技術大学院大で、低かったのは弘前大。香川大は86校中の81位だった。

国立大は授業料などの自己収入や国からの運営費交付金で経常経費を賄っている。文科省は、全86大学への交付金計1兆2千億円のうち、事務局の光熱費などに充当する「一般管理費」の1%分、計16億円を評価反映分の原資とした。

評価反映は業績などによって予算に差をつけることで活性化につなげるのが狙い。04年度からの6年間が本来の対象期間だが、今回は04〜07年度分を中間的に実施した。(1)教育水準(2)研究水準(3)教育研究達成度(4)業務運営達成度―の四つの項目について、(1)(2)は大学評価・学位授与機構、(3)(4)は国立大学法人評価委員会がそれぞれ判定。評価結果を文科省が「ウエイト」として数値化(最高値91、最低値5・25)し、大学ごとに反映額を計算した。

トップの奈良先端科学技術大学院大のウエイトは70、次いで滋賀医科大(63・75)、浜松医科大(60・64)、東京工業大(60・18)、お茶の水女子大(59・93)と続く。下位は弘前大(35・39)、和歌山大(35・50)、琉球大(36・40)の順。

■国立大運営費交付金 2004年に国立大が法人化されたことに伴い、文部科学省から大学運営のために配分される補助金は、使途自由な運営費交付金に統一された。10年度予算は総額約1兆2千億円。大学の主要財源だが、交付金総額は09年度まで毎年1%の削減方針が維持された。配分額決定に研究内容などへの評価反映が導入され、規模や地域性などにより大学間の格差拡大を懸念する声もある。

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「改善すべき点は改善」/香大・一井学長

国立大運営費交付金の総合評価ウエイト

文部科学省が教育水準や業務運営の達成度など4項目を対象に実施した国立大学の評価で、香川大はワースト6位だった。厳しい評価結果を受け、一井真比古学長は「結果を真摯に受け止めて、改善すべき点は改善しなければならない」と説明。大学改革の理念がまだ全学に浸透していないとして、教職員の意識改革に取り組む姿勢も示した。

教育改革・計画を担当する伊藤寛理事によると、評価が低かったのは主に教育水準と研究水準の2項目。「評価されることに慣れておらず、根拠となる資料を十分に示せなかった面もある。対応が甘かった」などと要因を分析、「指摘を受けた点はしっかり改善し、最終評価の段階でばん回したい」と述べた。