『京都新聞』2010年3月16日付

迅速な共同研究促進へ
京大とATR 「連携契約」


京都大と国際電気通信基礎技術研究所(ATR、京都府精華町)は15日、情報通信分野などで共同研究を促進するための「組織対応型(包括的)連携契約」を締結した。契約には機密保持に関する項目も含まれ、提案段階から情報の共有が可能になるほか、共同研究を行う際の手続き簡素化やスピードアップにつながるという。

京都大とATRはこれまで、大学院生の受け入れや情報学分野の研究など、個別に協定を結んで協力してきた。締結後は両者のメンバーで構成する「連携協議会」が共同研究などの窓口となる。

ATRで行われた調印式には、京都大産官学連携本部の牧野圭祐本部長と、ATRの平田康夫社長が出席。連携契約書に調印した後、「双方とも力ある研究者の集まりなので、良い結果が出せるはず。京大がけいはんな(学研都市)に役立てるきっかけにもなれば」(牧野本部長)、「より迅速に共同研究、交流を進め、関西における研究の活性化につなげていきたい」(平田社長)と意気込みを語った。