『山梨日日新聞』2010年3月14日付

付属校の特色づくりを 山梨大
検討スタート「国立」の役割探る


山梨大教育人間科学部の教授らが、小中など同大付属3校1園の在り方を考える「山梨大学教育人間科学部付属学校園研究プロジェクト」を立ち上げた。県内で私立学校の開校が進み、同大付属小中学校の志願者が減少している中で、国立学校としての位置付けや役割を明確にする。3校1園の教諭や保護者が意見交換する初めてのフォーラムが13日、甲府・同大赤レンガ館で開かれ、学校の特色づくりを求める意見などが出た。

プロジェクトメンバーは教授のほか、同大付属幼稚園と小中、特別支援学校の教諭ら16人。同大の栗田真司教授によると、全国的に10年ほど前から私立小中の台頭により国立大付属学校で定員割れが起こるなど、「国立大付属学校離れ」が目立っている。県内でも駿台甲府や山梨学院大の小中が開設され、「山梨大付属学校に入学するメリットが、保護者や子どもに分かりにくくなっている」(同大関係者)という。

フォーラムには教諭や保護者ら約40人が参加。寺崎弘昭教育人間科学部長が「学部と3校1園が隣接している環境は全国でも珍しく、組織的な連携を図ることで付属学校の特色を出せないだろうか」と問題提起した。

元同大付属小教諭で甲斐市学校教育課の奥山賢一さんは1990年代に同校で行い、全国的に注目を集めたインターネットを活用した教育を紹介し「担当教諭の熱意だけではなく、大学の支えがあったから実践できた」と振り返った。また、元同大付属小教諭で県義務教育課の嶋ア修さんは「(多彩な特色がPRされている)山梨学院小のホームページを見たことがありますか?」と切り出し、「山梨大付属学校の特色をもっと出していくことが大切」と訴えた。