『京都新聞』2010年3月8日付

学生の収入、1991年以降最低に
奨学金依存傾向が顕著に


親からの仕送り(小遣い)やアルバイト代を含めた2009年の学生の収入がバブル崩壊の1991年以降で最少となったことが、京都、滋賀、奈良の大学生協でつくる大学生協京都事業連合(京都市左京区)の3府県の学生生活実態調査で分かった。就職への不安を訴える学生の割合は全国平均を上回っており、不況による3府県の学生の厳しい実態が浮かび上がった。

全国大学生協連が昨年10〜11月に実施したアンケートのうち、京都事業連合が行った京都大、同志社大、立命館大など11大学3615人分を集計し8日発表した。

収入は、自宅生が1カ月60840円で、最高だった1997年の10・9%減、下宿生は12万4千円で同じく97年の14・8%減だった。下宿生の収入のうち仕送りは7万2700円で、前年より6000円も下がる一方、奨学金の受給額は前年より2800円多い2万5千円となり、アルバイトの収入(2万3800円)を91年以降で初めて超え、奨学金依存の傾向が顕著になった。

就職への不安を感じる学生は79・4%(全国77・8%)で、前年より1・8ポイント増。就職のために企業訪問などの対策をしていると答えたのは43・3%で、全国の39・4%を3・9ポイント上回った。

大学生協学生委員の立命館大3年小久保斉代さん(21)は「昨夏に就職活動を始めたが不安だらけ。公務員を目指す友人も多い」と話した。