『河北新報』2010年3月10日付

障害者高等教育で連携 宮教大と筑波技術大が協定


宮城教育大(仙台市青葉区)と筑波技術大(茨城県つくば市)は9日、聴覚や視覚に障害のある学生を支援し、高等教育で抱える障害者への課題に連携・協力して対応する協定を結んだ。

期間は2011年3月まで。申し入れがない限り、自動更新する。

筑波技術大は国内唯一の障害者のための大学。両大学はそれぞれの特徴を生かし、授業の単位互換、研究者や学生の交流などを行う。障害者への高等教育の機会を保障するほか、支援システムも連携して開発、品質向上を目指す。

宮教大は国立大では障害者の高等教育に力を入れてきた数少ない大学で、現在13人の障害者が在籍。全障害領域に対応した特別支援教育教員養成課程がある。

宮教大は、筑波技術大が開発した聴覚障害者支援用の「音声認識通訳システム」を活用するなど、研究面で5年ほど前から交流してきた。

一方、発達障害の学生への支援経験が少ない筑波技術大は協定締結により、宮教大の持つノウハウを生かし、研究などでの協力関係を強化する。

筑波技術大であった調印式で、両大学の学長が協定書に署名した。連携について、高橋孝助宮教大学長は「支援した学生が将来、教壇に立つ夢がかなうよう、先進例をつくりたい」と語った。

宮教大がほかの大学と連携協定を結ぶのは初めて。藤島省太宮教大教授(聴覚・言語障害教育)は「障害のある学生が高等教育を受ける事例は増えている。モデルをつくり、ほかの大学にも普及させたい」と話している。