『福井新聞』2010年2月28日付

教員養成改革「福井大型ベースに」 鈴木文科副大臣が講演


福井大教職大学院の「日本の教師改革のための福井会議2010」が27日、福井市の同大文京キャンパスで開かれ、鈴木寛・文部科学副大臣が「日本における教師教育改革」と題して講演した。民主党の教員免許制度見直しについて説明し「『学校拠点方式』など、福井大教職大学院の取り組みを改革のベースにしたい」と話した。

同会議は、現職教員らが教育の取り組みを発表する同大学院の「福井ラウンドテーブル」の一環として開かれた。県内外の教員や教育研究者ら約300人が参加した。

鈴木副大臣は「国際的に見て日本は教員実習の期間が短い。また教員免許状取得者12万人のうち、教員に採用されるのは4万人程度。受け入れる学校も『どうせ教壇に立たないのだから』と、実習を負担に感じることが多い」と現状を説明した。

民主党は、教育実習を1年間に延長する考えを示しており、鈴木副大臣は「子どもたちの成長の課程を、実習生が教育現場の中で学ぶことが必要」と狙いを説明した。

その上で、同大学院が学校現場を「講義室」として位置付け、大学院の教官が出向いて現職教員の院生と教育研究を行ったり、学部卒の院生に1年間、学校でのインターンシップを課す学校拠点方式を高く評価した。「(教員免許制度の見直しでは)福井大の方法をベースに考えていきたい」と話した。

福井ラウンドテーブルは28日まで開かれ、小グループに分かれた研究発表などがある。