『日刊工業新聞』2010年2月23日付

東大、アジアの大学に学生派遣−情報分野のリーダー育成


東京大学大学院学際情報学府は2010年度から、中国・清華大学や韓国・ソウル国立大学などアジアの一流大学へ学生を送り出し、相手校の講義や博士研究指導を受けるプログラムを始める。文理融合の情報分野で、アジアグローバリゼーション時代に適したリーダーを育成するのが目的だ。同学府が持つ留学生向けのコースとの相乗効果で、国際化が総合的に進むことになりそうだ。

東京大学大学院の情報学環(研究組織)・学際情報学府(教育組織)は情報にかかわる学際的な機構で、メディアや災害・医療情報、認知と行動、ユビキタスコンピューティング技術などを扱っている。情報分野は現代アジア諸国における課題も多く、研究者や職業人のリーダーとなる人材育成が必要だ。

また情報は、ウェブ依存など人を受け身にしやすい面がある。そのため、積極的に意見表明・議論・説得などを行うスキルを習得するのに、短期留学が適していると同学府は考えた。