『沖縄タイムス』2010年2月17日付

予算を40億円超過 大学院大 評価委「ずさんな執行」


【東京】政府の独立行政法人評価委員会の沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)分科会が16日、都内であり、同機構が進める大学院大学の施設整備費が大幅な仕様変更に伴い、当初予算額を約40億円も超過したことが明らかになった。委員からは再発防止に向けた早急な内部体制の強化を促す厳しい意見が相次いだ。

会合に出席した同機構のロバート・バックマン理事が予算執行について説明。同機構の施設整備費のうち、第1研究棟と管理棟の施設整備費補助金として138億円が確保されていたが、主任研究者から研究環境の充実を理由に仕様変更の要望が相次ぎ、十分な精査をすることなく受け入れたことで約40億円の予算超過につながったと釈明した。

バックマン理事は、機構全体で予算執行に対する認識が不十分だったことを陳謝。予算超過額のうち、4億円については2009年度の運営費交付金を節減して捻出(ねんしゅつ)し、残る36億円については、整備補助金全体の中で調整して埋めていくと説明した。

こうした機構の実態に対し、委員らは「ずさんな予算執行と思われても仕方ない」「組織としての基本がなっていない」と厳しく指摘。同分科会の平澤〓会長は来月2日までに、今回の事態に至った機構内の意思決定過程をまとめた議事録を提出することなどを求めた。

※(注=〓は「さんずい」に「令」)