『琉球新報』2010年2月17日付

大学院大学 施設整備費40億超過


【東京】内閣府独立行政法人評価委員会の第15回沖縄科学技術研究基盤整備機構分科会が16日、内閣府であった。同機構は、第1研究棟と管理棟の施設整備費が、当初予算額138億円から40億円超過していたことを報告した。両施設の整備に当たっては、第2研究棟の予算から超過分を充当していたが、予算の交付決定の変更申請手続きをしていなかった。

機構は超過分を施設整備費や独立行政法人に交付される使用用途が定められていない運営費交付金で調整し、「09年度中に解消する」としており、2014年度の開学には影響させない方針だ。

評価委員会は3月2日の次回会合でさらに詳しい原因調査の報告を求めた上で、組織体制の見直しを議論する。

予算超過は施設整備費の積算後、同施設を利用する主任研究者からの要望で、大幅に仕様変更したのが要因。

第1研究棟で当初予定していた霊長類研究が研究者招へいのめどが立たなくなったことから、げっ歯類の飼育施設に変更するために約8億5千万円。発熱量の大きいスーパーコンピューター対応のため、高性能の空調設備などを備えたサーバールームの整備で約4億7千万円。そのほか40項目にわたる実験室の仕様変更は約11億4千万円要した。

事態を受けて、前原誠司沖縄担当相は評価委員に向けて、「機構側に所要の削減などについての計画的な取り組み姿勢がうかがえなかったことについて、機構の予算管理がおろそかになっているのではないかと強い懸念を抱いた」とのコメントを出した。