『大分合同新聞』2010年2月17日付

医師らへの超過勤務不払い 大分大


大分大学は16日、医学部付属病院の医師などを中心に超過勤務手当の不払い(サービス残業)があったとして、2007年12月〜09年11月分として、336人に計約2億4500万円を支払うと発表した。1人当たりの平均額は約73万円、最も多い医師は2年間分で計737万円になる。

同大学は昨年4〜8月に実施した業務監査の結果を受け、学内の管理職を除く職員2055人を調査した。その結果「時間外労働の実態と超過勤務手当の支給時間に食い違いが生じていた」(同大)ことが明らかになった。サービス残業に対する職員からの支給の申し出はなかったという。対象者には、労働基準法に基づいて請求権がある2年間分の差額を17日に追加支給する。

同大によると、対象者の9割が医学部付属病院に勤務する医師ら医療系の職員。一般的に勤務場所にいて、上司から指示・命令が発せられる状況にあれば、休息時間や居残りでも超過勤務手当が発生するにもかかわらず、支払われていなかった。同大は「特に医師は勤務や不測の事態への待機、自主研修の時間区分に不明確な部分もあり、拘束時間の認識にずれが生じた」と説明する。
今後は再発防止に向け、(1)定期的に勤務時間管理の調査を実施(2)必要な人員の配置(3)業務配分の見直し―などを検討する。大分労働基準監督署にも報告したという。

羽野忠学長は「適正な勤務時間管理ができていなかったことは誠に遺憾。再発防止に向け、勤務時間の適正化を図るとともに、時間外労働の縮減に取り組む」とコメントを発表した。