『朝日新聞』2010年2月11日付

下宿学生1割超が仕送りゼロ 平均額も下がる


下宿生活を送る大学生の10人に1人が「実家からの仕送りゼロ」であることが、全国大学生活協同組合連合会のまとめで分かった。奨学金受給者は増えて4割に近づき、受給の平均額が月6万円を超えた。いずれも、これまでで最も高い数字で、リーマン・ショック以来の不況により、多くの大学生が窮乏生活を強いられている現状が、あらためて浮き彫りになった。

「学生生活実態調査」は毎年実施しており、昨秋、回答した約9700人分を分析した。

仕送りがない下宿生は、1997年は全体の1.9%だったが年々増加。08年は8.3%、09年は10.2%と、記録のある70年以降で初めて1割を超えた。仕送り額が月5万円未満の学生も全体の22. 7%と95年以降で最も高かった。仕送りの平均額は7万4千円で、前年より約3500円下がった。

一方、奨学金受給者の割合は、下宿生が44.6%、全体では37. 2%。これも記録のある5年前の30.8%から年々増えている。受給平均金額も90年の月3万7千円から00年の5万1千円と上がり、09年は6万1千円と初めて6万円を超えた。自宅から通う学生でも、受給者は27.5%、平均額は5万6千円だった。