『中日新聞』三重版2010年2月2日付

三重大と連携、医師確保に努力 県立志摩病院


医師不足が深刻な県立志摩病院(志摩市)について、野呂昭彦知事は1日の定例会見で、「三重大と連携し、さらに医師の確保など医療体制の充実に努める」と強調した。

◆「過疎地の医療モデルに」

志摩病院は今月からさらに小児科の外来診療を一部縮小。三重大病院(津市)と山田赤十字病院(伊勢市)から非常勤医を派遣してもらう。週4日の一般外来は続けるが、ぜんそくなどの慢性患者ら約120人を、地元のかかりつけ医などに任せる「逆紹介」をせざるを得なくなった。

県は志摩病院を2012年4月から指定管理者による運営に移す方針だが、野呂知事は「状況はますます厳しくなる」と指摘。「指定管理者制度に移行して危機を回避し、過疎地の地域医療のモデル的な病院にしたい」と述べた。

民間移譲する方針の一志病院(津市)にかんしては「すぐ民営化できる状況ではない。津市とも連携し、地域のニーズに応えられるようにしたい」と語った。

(中山岳)