『東京新聞』栃木版2010年2月2日付

連携し地域貢献推進 栃木SCと宇都宮大 就業体験やサッカー教室 人的資源など相互活用


サッカーのJリーグ2部(J2)栃木SCと宇都宮大は一日、互いの人的資源や施設を活用し合う事業協定を結んだ。学生がクラブで就業体験をしたり、栃木SCの選手が同大の関連施設を使ってサッカー教室を開くなどして連携を図る。ブランド力向上を狙う両者の経営戦略が一致した形だ。

協定は、スポーツ文化の発展と地域貢献を目的に、来年度から本格的に動きだす。就業体験やサッカー教室のほか、キャリアアップを考える選手は外国語の授業受講が可能。健康管理についての研究も進められるなど、“知の恩恵”を受けられる。

地域密着を理念に掲げるJリーグ側と、成長著しいスポーツビジネスを取り込んで学生を呼び込みたい大学側の思惑を背景に、こうした連携は各地で進んでいる。独立行政法人化で国立大が生き残りへの道を模索する中、同大は、J1浦和と埼玉大、J1鹿島と茨城大が協定を結んだ事例を調査。「学生へのアピール度も大きい」として締結を決めた。

この日、宇都宮市峰町の同大で開かれた調印式で、進村武男学長は「公開講座を協力して行うなどすれば、地域貢献度アップが十分に期待できる」とあいさつ。栃木SCの新井賢太郎社長も「地域貢献はJクラブの責務。大学と連携して広い視野で地域とのかかわりを深めたい」と意欲を見せた。 (横井武昭)