『京都新聞』2010年1月28日付

京大「白眉プロジェクト」18人内定
世界的研究へ若手を支援


京都大は27日、次世代を担う若手研究者の支援のため、最長5年間雇用して自由な研究環境を提供する「白眉(はくび)プロジェクト」の初の採用者18人を内定したと発表した。

36の国や地域から計588人の応募があり、32・7倍の難関を突破した「白眉」が来年度から世界をリードする研究をスタートさせる。

白眉プロジェクトでは、博士学位を取得した研究者を毎年約20人ずつ雇用し、最大で研究費を年間400万円、給与を月額65万円支給する。学内外の有識者でつくる「伯楽会議」や松本紘総長が面接して選考した。

内定者の平均年齢は32・8歳。京大以外の研究機関の所属者は、東京大の4人をはじめ計10人で、過半数を占めた。文理別では理系が12人、文系が6人、女性は4人だった。

研究課題は「磁場中超伝導状態における磁気揺らぎの効果の理論的研究」や「古典インド聖典解釈学派による音声の永遠性論証の研究」など多彩。今後、各研究者が互いの研究内容を伝え合う会合なども検討する。

内定者に15分の英語面接を行った松本総長は「大変立派な若手ばかり。プライドを持って研究に励んでくれると信じている。日本や世界に貢献する研究者としてのベースを築いてほしい」と話す。