『読売新聞』三重版2010年1月30日付

医療体制の充実へ連携
県と三重大が協定結ぶ


県内の医療体制を充実させようと、県と三重大は29日、医療分野での連携に関する協定を締結し、県庁で野呂昭彦知事と内田淳正学長が協定書に署名した。

両者は今後、救急医療体制の整備や医師確保などの課題を継続的に協議。専門性の高い医師の交流や、地域医療に従事する医師の育成、寄付講座の設置などで協力関係を築く。互いに連携の調整役となる窓口も設置する。

野呂知事は「全県的な医師不足で地域医療体制は危機的状況にあり、三重大も厳しい医療環境の中で課題を抱えている。より重要なパートナーとして連携し、医療分野での地域貢献が進むことを期待する」とあいさつした。野呂知事は三重大との連携を「医療政策の大前提」と位置づけており、今回の協定を礎に、他の医療機関とも関係を深めたいとしている。

内田学長は「大学病院の機能は医局だけでなく、大学以外の場所でも必要とされている。協定により、県立病院と三重大の人事交流が行いやすくなり、医師派遣や研修を含めた組織整備が可能となる」と述べた。県との人事交流で、高度医療や地域医療、精神科医療などの向上を目指す。