『河北新報』2010年1月29日付

秋田県議会と秋田大 政策提言へ定期協議


秋田県議会は2月、県に対して積極的に政策を提言していくため、秋田大と協議する場を設ける。学生や教員と議論し、少子高齢化に直面する県内の課題を浮き彫りにして解決の糸口を探る。今後、秋田県立大、国際教養大など県内のほかの教育機関とも協議する場の設置を検討し、県議会への関心を高めてもらいたい考えだ。

協議は年2回程度の予定。県議会、秋田大からそれぞれ10人から十数人が出席し、テーマを設定して話し合う。第1回は2月18日に開く方向で調整している。

県議会からは1、2期目を中心とした30〜50代の県議が参加し、秋田大は学生有志が協議のテーブルに着く。当日のテーマは出席者の意見を踏まえて決める。

政策提言の協議は、2009年8月に就任した冨樫博之議長と、秋田大の吉村昇学長の「トップ会談」で浮上。学生の柔軟な発想や教員の専門知識を生かしたい県議会と、学生の活動や研究の成果をアピールしたい大学の考えが一致した。

県議会では有志が教育関連の県条例制定を目指し、2月定例会に議題として提案する検討に入った。政策協議の場や条例制定に向けた動きは、県の施策に賛成、反対を示すだけの受け身の姿勢を変える議会改革の一環に位置付けられる。

冨樫議長は「大学と協議の場を持つことは、政策立案能力が求められる県議会本来の姿を取り戻す契機になる。率直な意見を出してもらいたい」と期待する。
 吉村学長は「県議会と大学が議論することは県議会の存在感を高め、学生や教員が地域の課題に関心を持つきっかけになる」と意義を強調する。