『徳島新聞』2010年1月21日付

日韓技術交流促進へ連携 徳島大と韓日財団、協定締結へ


徳島大学は20日、韓国ソウル市に本部を置く韓日産業・技術協力財団と交流協定を結ぶ。徳大がインターネット上に開設している研究者や企業情報の仲介システムを、年度内に韓国でも利用できるように改良。韓国側からも情報を提供してもらい、日韓の技術交流の促進を図る。徳大は仲介システムの海外展開を計画しており、その第1弾となる。

来月にも、徳大と韓日財団の職員らでつくる「韓日技術交流支援グループ」を設置。韓国語版の仲介システムの製作を共同で進める。このほか、徳大の発光ダイオード関連の研究や延世大学(ソウル市)などの情報通信に関する研究を応用した産学連携、両国の特許技術を披露する展示会やセミナーの開催も検討課題に挙がっている。

ネットを活用した交流の中心になる仲介システムは、徳大知的財産本部が昨年1月に開設した「TPAS−Net」(ティーパス・ネット)。特許や企業、研究者の情報をこれまでに7千件余り集積し随時更新している。ネットに登録すれば最新情報のメールが届き、知財本部を介して企業や研究者と連絡も取れる。

産学連携や共同研究を促す全国でも珍しいシステムで、国内では徐々に利用が拡大している。ネットの国際化を目指していた徳大が昨年12月に韓日財団へ提携を持ち掛け、連携が決まった。

調印式は、徳島市新蔵町の徳大本部に財団の幹部を招いて開く。徳大知的財産本部の佐竹弘副本部長は「日韓の企業や研究者の橋渡し役として、双方の技術発展につなげたい」と交流の深まりに期待している。