『産経新聞』関西版2010年1月21日付

京大・阪大・神大 3大学が連携シンポ


京都大・大阪大・神戸大が連携して世界をリードする人材を育成し、関西の知的創造拠点の形成を目指すシンポジウム「3大学連携による知の創出と発信」が20日、大阪市北区の大阪国際会議場で開かれ、大学関係者ら約350人が参加。環境やエネルギー問題を背景に盛り上がっているバイオ技術の研究について、世界の動向を踏まえながら、最新の報告が行われた。

シンポジウムは、3回目でテーマは「バイオテクノロジーによる持続可能な社会の構築」。講演では、山口彰宏・三井化学副社長が循環型化学産業を実現するための触媒の開発などについて話したあと、コリン・ウェブ・マンチェスター大学教授が英国でのバイオマス(植物資源)の利用について披露。クリス・ソンマービル・カリフォルニア大学教授は、次世代のバイオ燃料(セルロース系)について「燃料生産の技術的な障壁はなくなった」と話した。

また、田中隆治・サントリーホールディングス技術監は、遺伝子組み換えによる青いバラなどの研究を紹介。瀧本正民・豊田中央研究所代表取締役は、電気自動車など車社会の在り方に触れ、新名惇彦・奈良先端科学技術大学院大学副学長は、「低炭素社会の実現には、植物バイオマスの増産が切り札」と強調した。

パネルディスカッションでは、大竹久夫・大阪大学大学院工学研究科教授らが登壇し、「産業連携による技術革新と産業化」をテーマにバイオ技術について話し合った。