『朝日新聞』愛知版2010年1月21日付

愛教大 省エネ3冠


【CO2総排出量やエネルギー使用量】

全国にある教職員500人以上の中、大規模の60国立大学法人の中で、愛知教育大学(刈谷市)が2006、07の両年度、床面積当たりと学生・教職員1人当たりのそれぞれのエネルギー使用量、温室効果ガス(二酸化炭素)の総排出量の計3項目で最小だった。京都大学などの教員らのプロジェクトが各大学の環境報告書を分析した結果からわかったもので、愛教大が進める「環境重視型キャンパス」が評価された形だ。(岡本真幸)

それによると、床面積1平方メートル当たりの年間エネルギー使用量(ギガジュール)は、国立大学法人の07年度平均は1・87だったが、愛教大はその3分の1の0・63で、最小だった。06年度も0・61で最小だった。また、学生・教職員1人当たりの年間エネルギー使用量(同)は、愛教大は07年度が10・98で最小だった。05年度から3年連続で、いずれも国立大学法人の平均の5分の1程度だった。

二酸化炭素の年間総排出量も、07年度2690トン、06年度2441トンと2年連続最小で、それぞれ国立大学法人の平均の11分の1程度だった。

一方、床面積当たりのエネルギー使用量や二酸化炭素排出量の2項目が多かったのは、旭川医科大、滋賀医科大、群馬大、東京医科歯科大、東北大などの順で、いずれも病院といった24時間稼働の施設がある大学。愛教大にはそういった施設はない。

データは大学や地域により取り方が異なり、現在は報告書案の作成段階。正式な報告書は今年度中に完成する予定。

愛教大は、人感センサー付き照明や太陽光発電の積極的な導入など環境対策を進めてきた。また、以前は焼却していた紙ごみのリサイクルを進める一方、教職員や学生の環境意識を高めるため、有志による大掃除「キャンパスクリーンデー」も開いている。松田正久学長は「さらに意識を高めて、環境重視型キャンパスを目指す取り組みを強化したい」と話している。