『東京新聞』神奈川版2010年1月22日付

街づくり 担い手育て 7大学連携 4月開校へ 横浜に『北仲スクール』


横浜の街をテーマにして、学生や市民に都市の在り方や芸術を学んでもらおうと、国公私立の七大学が四月、横浜市中区北仲通五に「横浜文化創造都市スクール(北仲スクール)」を開校する。これに合わせ、新進気鋭の映画監督の作品を集めた上映会が二十三日から一週間、映画館「シネマ ジャック&ベティ」(同区若葉町三)で開かれる。

 (荒井六貴)

北仲スクールには、県内にキャンパスがある横浜国立大、横浜市立大、東京芸術大、神奈川大、関東学院大、東海大のほか、京都精華大(京都市)が参加。馬車道駅近くにあるビル「北仲ブリック」に教室を設置した。

四月からは本格的に、学生向けの授業を開始。利用者数が低迷している水上バスの集客方法を学生が提案したり、都市デザインを考えたりするほか、市内の音響会社と協力し、音響システムの開発なども企画されている。

卒業の単位としても認定する。市民も出席できるようにし、一定の単位を履修すれば、独自の修了証を渡すことなども計画している。国の補助を受け、二〇一一年度まで継続する予定だ。

北仲スクール代表で、横浜国大の室井尚教授は「国の事業仕分けで予算は二割減になったが、税金の無駄遣いと言われないよう、いろんなことに取り組み、(十一年度以降も)続けていきたい」と期待を込めた。

開校に先駆けた上映会のテーマは、「未来の巨匠たち」。学生の映画研究などに役立ててもらおうと、国内の三十代を中心とした映画監督約十人の作品を一日数本上映し、監督を招き、作品に込められた思いなども聞いていく。

二十三〜二十九日。連日午後二時から。チケット料金は、一作品(八百円)から全日(六千円)まである。

このほか、京都精華大が担当する授業「現代美術論 マンガという領域」(二月十八〜二十日)なども企画されている。一部は、事前の申し込みが必要になる。問い合わせは、北仲スクール事務局=(電)045(263)9075=へ。