時事通信配信記事 2010年1月22日付

14校が「改善不十分」=法科大学院


入学志願者数や新司法試験合格率の低迷が問題となっている法科大学院をめぐり、中央教育審議会法科大学院特別委員会の作業部会は22日までに、全74校中14校は学生の質の確保や教育内容が不十分で、重点的な改善を促すべきだとする調査をまとめた。ほかの12校についても継続的な改善が必要だと指摘した。

名指しで問題視されたことで、学生募集に支障を来す法科大学院がでる可能性もある。文部科学省は今後、改善の進ちょく度に応じて運営費交付金、私学助成に差を付けることを検討する。

作業部会は昨年7月、入試倍率、新司法試験合格率が低い40校から聞き取りを実施。うち26校には同10月以降、現地調査に入って学生との意見交換や授業見学を行った。

その結果、入学者の水準確保が不十分、授業の満足度が低い、定期試験の成績評価が甘いといった問題点が浮上。程度に応じて改善重点校と継続校に分類した。

作業部会はまた、新司法試験合格率が2年連続で平均の半分未満だった法科大学院が18校に上ると指摘。「法曹養成機関の責務にかんがみると、この事実は極めて重く受け止めなければならない」と批判した。

法科大学院の総定員増加などに伴い、修了者を対象にした新司法試験の合格率は昨年27.6%まで下落。2009年度入試の志願者は3万人を切り、42校では受験者数を合格者数で割った競争倍率が2倍を下回った。