『中国新聞』2010年1月16日付

広島大が研究資金調達へ組織


広島大は、学内の有望な研究を掘り起こし、外部資金を調達する「競争的資金獲得戦略室」を設置した。浅原利正学長が15日、広島市南区の霞キャンパスで開いた記者会見で発表した。運営費交付金の削減などで財政が厳しくなる中、全学的な態勢で国の公募事業の採択などを目指す。

学内で埋もれていた研究を特色ごとに再分類化し、省庁や他大学からの情報収集や分析に基づいて資金獲得のプロジェクトとして練り直す。学長直属の組織として学部や大学院研究科間の連携も進め、公募につなげる。1月1日付で東広島キャンパス(東広島市)内に設置。室長に理学研究科の相田美砂子教授が就いた。ほかに職員2人を置く。

国の公募事業は、理系の研究分野が大半を占めていたが、近年は産学連携や教育の分野にも広がっている。他大学との資金争奪戦を勝ち抜くには、学内で知られていなかった研究をいかに開花させるかが重要と判断した。