『読売新聞』2010年1月7日付

名称から教育・研究内容わかりやすく…宮崎大農学部が学科改編


学科間の連携も強化

宮崎大農学部は4月から、現在の5学科を6学科に改め一部の学科名を変更する。改編は2000年4月以来。教育・研究内容がわかりやすい名称にして、受験生が将来の目標を設定しやすくすると共に、企業や官公庁の採用担当者らに対して求人先を明確にし、学生の就職活動の円滑化を目指す。

新しい学科は「植物生産環境科学」「森林緑地環境科学」「応用生物科学」「海洋生物環境学」「畜産草地科学」「獣医学」。応用生物科学と獣医学は現行と同じ。また、獣医学以外の学科にある講座は、新学科への移行に伴って解消する。

同学部によると、戦後、農家が減少して日本の農業が縮小傾向となる中、全国の大学の農学部では農業のイメージから離れた名称を使う傾向があった。

こうした流れに沿ってきた結果、学科名から学生たちが何を学んでいるのかが見えにくくなった。企業などからも「求める人材がどこにいるのかわかりにくい」と指摘する声があったという。

改編に伴って各学科の連携も強化する。例えば、海洋生物環境学科の学生が獣医学科の「毒性学」「発生学」などを受講できるようにすることで、動物に与える薬や、微生物に関する知識も得られる。

川村修学部長は「宮崎大は周辺に生産現場がある。恵まれた環境と学科改編を生かし、自主的に課題を探求できる学生を育てていきたい」と話している。

入試に関する問い合わせは同大入試課(0985・58・7138)へ。