『中国新聞』2009年1月6日付

市立大が平和研移転案を計画


公立大学法人移行を4月に控えた広島市立大(安佐南区大塚東)が、付属の広島平和研究所(中区大手町)を本部に移転させる方針を、2015年度までの中期計画に盛り込むことが5日、分かった。被爆地の高等教育機関としての機能を強化する。「平和学」の学位が取得できるカリキュラム構築も進める。

市立大は、外部識者による評価委員会を設置し、法人化後6カ年の中期計画案を作成中。平和研については国際、情報科学、芸術の3学部・大学院がある本部への移転に取り組む考えを明記する。

移転時期など具体的なスケジュールは示さず、「資金面など単年度ごとの事業計画は今後詰めていく」(事務局総務課)という。市立大は2月中旬に中期計画案をまとめ、7月をめどに秋葉忠利市長の認可を受ける予定でいる。

平和学については、平和研と大学院が連携してカリキュラムを確立し、学位(修士・博士)を授与▽留学生にも魅力ある授業とするため英語による講義を充実―などを目指す。平和研によると、中国地方には現在、平和学の学位が取得できる大学はない。