『山形新聞』2010年1月6日付

日本一目指す研究を開拓 山形大「結城プラン2010」を公表


山形大の結城章夫学長は5日、2010年に同大が取り組む課題と目標をまとめた行動計画「結城プラン2010」を公表した。分子疫学や有機ELなどの研究に加え、新たに日本一を目指す研究を開拓して支援するほか、企業連携組織を発足するなど、さまざまな内容を盛り込んだ。

このプランは、山形大版の学長マニフェストで、ことしで3回目の作成となる。09年は58項目を掲げていたが、検証の結果、約88%に当たる51項目の目標を達成し、残り7項目は10年に再掲載した。

10年のプランは63項目で構成。教育分野はことし、従来の教養教育に代わる「基盤教育プログラム」をスタートさせる。専任教員を15人に増やし、学生にコミュニケーション能力や地域文化に関する知識などを養ってもらう。研究分野では、同大が誇る3つの先進的研究拠点(分子疫学、有機EL、核子スピン)を維持した上で、これに続く新たな研究グループを3件程度選定し、支援する。結城学長は「国立大学として、日本一の研究分野を幾つか持っていなければならない。ナスカの地上絵や在来作物の研究など、日本でトップを取れる研究を発掘し、重点的に支援していく」と語る。

また、企業の人材育成・新技術開発・経営改革を支援し、大学と県内経済界との緊密な連携関係を築く「山形大学と交流する会」を新たに設置する。年会費制とし、現在、県内企業十数社の参加を見込んでいる。さらに、小白川(山形市)だけでなく、飯田(同)、米沢、鶴岡の各キャンパスにインフォメーションセンター機能を整備し、それぞれ情報を発信できるようにする。

プランは、全教職員のほか在学生や新入生に配布し、大学のホームページにも掲載する。12月に達成状況を検証し、来年のプランにつなげる方針だ。