『北海道新聞』2010年1月6日付

臨床訓練施設を学外開放 旭医大、地域貢献狙う


【旭川】旭川医大(吉田晃敏学長)が、学生や医師の臨床用訓練施設「スキルズラボラトリー」を「臨床シミュレーションセンター」と改称し、今春から学外に開放を始める。センター長の岩崎寛教授(麻酔・蘇生(そせい)学)は「地域の教育機関などと連携し、有意義に活用したい」と話している。(小川郁子)

学外の利用は、教育や保育などを学ぶ学生、高校生、市民団体の自動体外式除細動器(AED)使用や救急措置の実習などを想定。専属の職員1人を配置し、4月から本格的に開放する。

旭医大は2002年にこのラボラトリーを道内初の模擬訓練専門施設としてつくった。広さ約300平方メートル。精巧な人体模型を使い注射や触診、採血、救急措置などを実習できる。

学生や医師が、臨床医学の基礎学習や技術向上のため活用し、昨年7月には同ラボラトリーを拠点に臨床医学を学ぶ学生サークルも設立され、学内に定着している。

この状況を一層前向きに展開しようと「道北の地域医療の拠点として、民間病院や地域にも役立ててもらう」という地域貢献の狙いで学外開放に踏み切ることにした。

昨年9月に学内の規定を改定。施設名を「臨床シミュレーションセンター」に改称した。