『北海道新聞』2009年12月25日付

産学官連携事業失敗、北大が検証 補助5年で32億円


北大は、5年間に国から総額32億円の補助を受けながら、期間内に十分な成果が上げられなかった産学官連携事業「北大リサーチ&ビジネスパーク構想」について、その原因などを調査、分析した報告書をまとめた。24日、文部科学省が公表した。

同構想はナノテクノロジーやバイオなどで最先端の研究を進め、新産業創出につなげる狙い。2003〜07年度に文科省の補助事業に採択された。しかし、北大キャンパス内への企業研究室誘致では目標の10件に対し、2件にとどまるなど成果が不十分で、同省の研究評価部会は08年度、下から2番目の「C評価」と判定した。

報告書では原因について《1》企業出身者をトップとする企画部門の効率性重視の運営やリーダーシップが大学の文化と相いれず、同部門が孤立した《2》予算の公平配分にこだわり、重点的な投資ができなかった《3》大学側のアイデアに対し、地元経済界との間で合意形成ができなかった−などの点を指摘した。